深井翼の政治評論

日本の政治に悪態つきます!

セレブ気分①

自民党今井絵理子参議院議員の略奪不倫として報じられ、そのお相手であった橋本健神戸市議の政務活動費処理にまつわる疑惑が報じられています。

「今井絵理子と不倫の市議に浮上、700万円『政務活動費』疑惑」(2017年8月22日 デイリー新潮)

 

引用記事

 

 

 


この疑惑についての詳細は上記記事に任せますが、この記事を目にしたとき、最初に非常に衝撃を受けたのは発注したチラシの56万部という数字です。国民新党の広報をしていたときは、このくらいの数字のチラシやポスターなどを発注をしたことは当然あります。普通、このような印刷物の場合、ポイントとなるのは内容、コスト、そしていかに配布(掲示)するかです。印刷物をつくっても人の目に触れなければ意味がありませんので、このようなチラシをつくった場合、いかに人に届くようにするかということが、内容とコストと同時にもう一つの重要なポイントになり、大抵の場合、頭痛の種になります。
配布の仕方は、郵送、折り込み、そして手渡し及びポストなりへの投げ入れですが、郵送なら送料、折り込みならその分のコスト、そして手渡し及びポストへの投げ入れなら人件費、もしくは人の労力がかかります。そして、配布枚数が多ければ多いほど、このコストが上がっていきます。チラシを配るということになるとこのような現実が必ずあるわけなのですが、それが一市議会議員で56万部という数を目にすれば、どうやってそれらを配布をしたのだろうと率直に思います。正直、かなりの違和感を持ちます。普通なら配布は無理だろうと考えるわけです。
郵送や折り込みなら、ちゃんと領収証があるはずです。また市議会議員レベルだと専属の秘書やスタッフが何人も普通はいませんし、議員兼秘書というのが普通だと思います。そうなると手渡しやポストの投函は、自分でやるか人を雇わないといけないのは、当然でしょう。もしくは後援会の人が助けてくれると言うこともあるでしょう。ただ、それも大規模とは言えないのが普通と考えます。

橋本議員は2015年の市議会選挙でトップ当選、6,604票を獲得しています。また件のチラシは8回で56万部ということですから、1回につき7万部です。仮に後援会・支援者関係に1回2万部を郵送などで配布したとします。残りは5万部です。その残りを1日平均200部配ったとして、250日かかります。ほぼ1年間のウィークデー丸々かかることになります。都心の巨大駅の駅頭でチラシを配れば、がんばって半日で一人200部は配れるでしょうが、そうでなければチラシを1日200部を一人で配るというのはかなり大変です。それをほぼ毎日ですから、議員としての仕事ができないレベルです。
この5万部を後援者や支援者が手伝って配布したとしたら、当然、後援関係者以外の不特定多数のところに配られます。しかし、上記記事では、他党の神戸市議はこのチラシを見たことがないというわけです。
総合して考えれば、明らかに配布はされていないと考えるのが自然で、そもそも発注の段階での部数が多すぎます。卑近な例で言えば、選挙においてチラシを大量に発注していても、ふたを開ければ大量の印刷物の山が倉庫に眠っていたということを目の当たりにしたことがあります。発注はしたが、配布する人数も、お金も、元気もないと言うことですが、そういうことは結構あります。仮に5万部、8回合せて40万部の印刷物が眠っていたら相当の量になります。6畳間、8畳間という普通の家の部屋くらいならすぐに一杯になります。ただ、普通の家では重すぎて床が抜ける可能性があるので、それなりの倉庫のようなスペースが必要になります。必ずそのような場所があるはずです。また廃棄処分にするなら普通は業者を呼んで処理をするレベルですから、当然、そこにもコストが発生し、なおかつそのための領収書は存在します。普通ゴミで小分けにして出していたということなら、市議会議員としては問題になるでしょう。
つらつら書きましたが、結論としては、記事を読む限り、そもそも印刷物を発注していない、つまり架空発注ということと考えます。チラシを大量に印刷すれば配布や処理という手間やコストがかかるので、56万枚という数は、その観点では大変な数字であるのです。即ち橋本氏の説明には嘘があると考えます。そして、記事中の印刷物を発注したと言われ、一方でその存在がどうしても見つからない印刷会社も、それが仮にあったとしてもチラシのための紙をその会社が発注した証拠もないでしょう。私の中では公金横領の可能性は極めて高い案件で、そうでなければこの記事に書かれているような不可解なことは普通は起りません。これ、普通に徹底的に追求されるべき案件です。公金横領に関わることですから当然です。

 

深井翼