【アメリカ】ドナルド・トランプ氏が夏休み中に行った40いくつのこと
米国ではもうすぐ、何百万人もの子供たちが新学年を迎える。そして学校に戻って最初に出される宿題と言えば、「夏休みの思い出」の作文だ。
自分がドナルド・トランプだったらと、一瞬でいいので想像してみてもらいたい。そしてドナルド・トランプな自分が「夏休みの思い出」の作文を、宿題に出されたとしたら。まずは、紙を余分にもらった方がいい。というのも、それはそれは盛りだくさんな夏だったのだし。
遠いおぼろげな記憶の果てにかすんでいる自分の学校時代を思い返せば、確か先生は、単にやったことを箇条書きにするのではなく、一つ一つを分かりやすく説明するように指示していたのではなかったか。
けれども、それについては先生、ごめんなさい。ドナルドとホワイトハウスの愉快な仲間たちが今年の夏にやったことは、以下に箇条書きする通りです――。
1.アンソニー・スカラムーチという新しい広報部長を採用
2.それに抗議してショーン・スパイサー報道官は辞任。自分は喜んでいると言うが、実は怒り心頭
3.「ザ・ムーチ」ことスカラムーチの猥雑(わいざつ)なインタビューが、米誌ニューヨーカーに掲載される
4.トランプ氏、気の毒なラインス・プリーバス首席補佐官を解任(プリーバス氏はアンドリュース空軍基地で置き去りに)
5.新しい首席補佐官を任命。国土安全保障長官だったジョン・ケリー将軍だ
6.ケリー新補佐官の初日、大統領は就任したばかりの広報部長を解任。スカラムーチ氏はわずか10日しかもたなかった。牛乳だってもう少しもつ
7.新しい広報部長を任命。7カ月で4人目だ
8.司法長官を公の場で繰り返し辱めるが、ジェフ・セッションズ長官はしぶとく座に残る
9.医療保険改革法案の採択で敗退
10.反対票を入れた共和党議員3人を、公然と繰り返し罵倒する
11.ツイッター経由でトランスジェンダー(性別越境者)の軍入隊を禁止。軍には伝えず
12.軍幹部たちは、「何を言ってるのか。ツイッターの命令など受けない。指揮系統というものがある」と反論
13.11~18歳のボーイスカウトたちを前に、政治的演説を披露
14.史上最高の出来栄えの演説だったと、ボーイスカウトの代表から電話があったと主張
15. ボーイスカウトの代表はそのような電話はしていないと反論。さらに、大統領の不適切な演説内容を謝罪する声明を、ボーイスカウトあてに発表
16. 国境政策をメキシコ大統領に電話でほめられたと発言
17. メキシコ大統領は、そのような電話はしていないと反論
18.ホワイトハウスは大統領は嘘つきではないと弁明するも、大統領の発言を説明できず
19.超党派のロシア制裁法案署名に数日かけた後、議会に無理やり署名させられたと議会を非難
20.米国外交官数百人を国外追放にしたウラジーミル・プーチン露大統領に感謝表明
21. 機密漏洩(ろうえい)を非難するも、自分がいかに愛されているかの証明なので漏洩は好きだと発言
22. 警察に、逮捕時には容疑者を手荒く扱うよう推奨
23. 各地の警察幹部がこの発言を非難。ホワイトハウスは、冗談だったと説明
深井翼